ブックメーカーの期待値とは?計算方法や活用方法を解説

ブックメーカーの期待値とは、ベット1回当たりで獲得が見込まれる平均金額のことです。英語では「Expected Value(EV)」と言い、本来は統計学において1回の嗜好で得られる値の平均値を意味する言葉です。ブックメーカーの期待値を知ることで、スポーツベッティングをより戦略的に楽しむことが可能となります。

校閲 BettingGuide編集チーム
最終更新日 2024/4/19
ブックメーカーの期待値とは?

ブックメーカーの期待値を学ぶ

ブックメーカーの投資法などを探していると必ず目にする言葉が「期待値」です。ブックメーカーの期待値を知ることで、ブックメーカーのオッズをより深く理解することができ、長期的な観点から利益を得ることができるようになると言われています。またスポーツベッティングに必ず勝てる必勝法などは存在せず、勝てる勝てないかは結局は運によるところが大きいということを理解しておきましょう。ただし、戦略的にプレイすることは可能です

このガイドではスポーツベッティングやブックメーカーにおける期待値について、計算方法や活用方法を解説していきます。

  • 当サイトでは、責任あるゲーミングを推奨しています。スポーツベッティングやブックメーカーはお金を稼ぐための投資対象ではなく、あくまでもエンターテインメントの一種です。ギャンブルには中毒性があります。自分の許容範囲を超えるようなプレイはせず、常に責任を持ったプレイを心がけましょう。

ブックメーカーの期待値とは?

簡単に言えばブックメーカーにおける期待値とは、ベット1回当たりでいくら儲けられるか(または損するか)の平均値を示します。元来、期待値は統計学において確率を考慮した平均値であり、英語では「Expected Value(EV)」とも呼ばれています。長期的な収支をプラスにするには、期待値がプラスの対象に賭け続けることがコツです。ただし、ブックメーカーはマージン(控除率)を適用しているので、理論的な観点から見れば普通にプレイしているユーザーは必ず損をする仕組みとなっています。

ブックメーカーの期待値の計算方法

ブックメーカーの期待値は、勝率とベット1回当たりの儲けを掛け算した値から、負け率とベット1回当たりで失う金額(つまりベット額)を掛け算した値を引き算することで算出可能です。このブックメーカーの期待値の計算方法を3段階に表すと、次のようになります。

  1. 期待値 = 勝率 × 儲け - 負け率 × 損失額
  2. 期待値 = 勝率 × ベット1回当たりの利益 - 負け率 × ベット額
  3. 期待値 = 勝率 × (ベット額 × オッズ - ベット額) - 負け率 × ベット額

次に確率の計算方法をおさらいしておきましょう。

  • 勝率や負け率といった確率の求め方

    ブックメーカーのオッズに関するガイドで解説したように、確率は少数オッズを用いると簡単に計算することができます。確率の求め方は次の通りです。

    • 確率 (%) = 1 ÷ 少数オッズ × 100
  • 確率の具体例

    確率の求め方をさらに理解するために、スポーツベットアイオーの具体例を見てみましょう。次のサッカー試合(ルートン・タウン対ブレンドフォードFC)において、ルートン・タウンの勝率と負け率を計算してみます。

    ルートン・タウンの勝率:

    1. 勝率 = 1 ÷ 少数オッズ × 100
    2. 勝率 = 1 ÷ 3.15 × 100
    3. 勝率 = 31.75%

    ルートン・タウンの負け率:

    負け率はルートン・タウンの勝ちが発生しない確率なので、ブレンドンフォードFCの勝率と引き分けの確率を含めて計算します。

    1. 負け率 = ブレンドンフォードFCの勝率 + 引き分けの確率
    2. 負け率 = (1 ÷ 2.16 × 100) + (1 ÷ 3.80 × 100)
    3. 負け率 = (0.4630 × 100) + (0.2632 × 100)
    4. 負け率 = 72.62%
  • ブックメーカーの期待値の計算例

    これまでの例をもとにブックメーカーの期待値を実際に計算してみましょう。

    例1)ルートン・タウンに1,000円を賭ける場合の期待値:

    • 期待値 = 勝率 × (ベット額 × オッズ - ベット額) - 負け率 × ベット額
    • 期待値 = 31.75% × (1000 × 3.15 - 1000) - 72.62% × 1000
    • 期待値 = 0.3175 × 2150 - 0.7262 × 1000
    • 期待値 = 682.63 - 726.2
    • 期待値 = -¥43.57

    例2)ブレンドンフォードFCに1,000円を賭ける場合の期待値:

    • 期待値 = 勝率 × (ベット額 × オッズ - ベット額) - 負け率 × ベット額
    • 期待値 = 0.4630 × 1160 - 0.5805 × 1000
    • 期待値 = 537.08 - 580.7
    • 期待値 = -¥43.62

    上記例から分かるように、このベットの期待値はマイナスであり、長期的な観点で見ると1000円賭けるたびにおよそ43円の損をします。言い換えれば、スポーツベットアイオーはこの試合で約4%程度のマージンを徴収していることが分かります。

オッズの確率計算機

確率の計算を何度もマニュアルで行うのは面倒ですが、上記のオッズ換算機を使えば簡単にオッズから確率を計算可能です。

ブックメーカーの期待値を活用する方法

ブックメーカーの期待値を知ることで、自分の賭けたい対象が価値のあるベットなのかを判断することが可能です。ここまでの例ではブックメーカーが定めるオッズに基づいて勝率や負け率を計算して期待値を算出しましたが、自分が考える確率をもとに期待値を計算することが可能です。

スポーツベットの期待値の計算には、スポーツ試合における各チームの勝率が大きく影響します。ブックメーカーは過去の莫大なデータをもとに関連する確率などを算出しオッズを定めていますが、ブックメーカーが見込む確率やオッズがいつも正しいとは限りません。スポーツベットでは、チームや選手の状態や天候など様々な要因によって勝率やオッズが常に変動していています。

価値のあるベットとは?

スポーツベッティングにおける価値のあるベットとは、英語でバリューベット(Value Bet)を意味します。価値のあるベットとは、無限にそのベットを繰り返し、負けた損失を勝った利益で相殺した場合に、結果的な収支がプラスになるベットです。価値のあるベットを見出すためには、自分で勝率や事象が発生する確率を計算し、ブックメーカーの期待値を上回る必要があります。

ここで、分かりやすい極端な例を見てみましょう。

アメリカとスペインのバスケットボールチームが対戦すると仮定します。ブックメーカーや多くのユーザーは明らかにアメリカが勝つと考えていますが、これは二つのチーム間の対戦履歴と両者の潜在能力を示唆するものです。しかし、過去の出来事を見るとアメリカが時々負けることもあります。スペインに10倍や20倍のオッズでベットする価値はないかもしれませんが、もしもブックメーカーがスペインの勝利に10,000倍の支払いを提供すると想像してみてください。スペインとアメリカの試合を10,000回繰り返すと、スペインはおそらく一度以上勝つでしょう。スペインにベットしていた場合、このベットが数回的中するだけで利益を得ることが可能です。したがって、アメリカの勝利を予想していても、この例ではスペインに賭けることが理にかなっていると言えます。

【編集チームから一言】勝率から期待値を簡単に計算するコツ

Mizuki Ikeda logo
池田瑞希 編集者

ブックメーカーの期待値を計算するためには、確率を知っておくことが必須です!期待値の計算はエクセルなどで方程式を完成させておかない限り面倒な計算ではありますが、確率を自分で計算できる場合は簡単にバリューベットを見極めることができます。バリューベットを見つけるには、確率にオッズを掛け算した値が1より大きいかどうかで判断します。

  • 確率 × オッズ = 1 の場合、プラスマイナスゼロになる中立的なベット
  • 確率 × オッズ = > 1 の場合、期待値がプラスになる価値のあるベット
  • 確率 × オッズ = < 1 の場合、期待値がマイナスになる損をするベット

確率の計算はチームのコンディションや過去の戦績、現在のパフォーマンスや天候、ケガなど、あらゆる要素を考慮したうえで考えましょう。簡単な方法としては、第一にブックメーカーのオッズに基づいてブックメーカーが予想する確率を計算します。そこから自分の見込みで確率を考えていきます。もしブックメーカーよりも正しい確率を計算し、期待値がプラスのベットを的中させることができれば、長期的な観点からブックメーカーに勝つことが可能となるのです。

池田瑞希
池田瑞希
最終更新日:2024/4/19

ベッティングガイド日本語コンテンツの担当者。大手オンラインカジノ数社で勤務していた経歴があり、カスタマーサポートからマネージメント、マーケティング等、様々な立場で活躍してきた経験を活かして編集を行っています。アイゲーミング(iGaming)業界に関する情報も発信していくので、何か気になることがあればお気軽にご連絡ください。